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読むと忘れるので本の感想とか・・・

文学フリマの作り方①打算

何事も先立つものが必要だ。まずはサークル参加費、文学フリマ福岡であれば2022年現在1ブース4,500円で……というかそこら辺の疑問は公式ページを見てくれ。参加するなら要項を読める読解力はあったほうが良い。出店要項(福岡) | 文学フリマ


……というのも、職業柄『よく知らないことを断言するな』という性根が染み付いてしまい、少し臆病なところがある。さっきまで大口叩いてた癖に。

 

取り敢えずは4,500円。そこから『幾ら積めるか』というになる。
自分の場合、遠征なので交通費もかかる。これでも福岡が一番近い会場なんだ。また前日に別のイベントに(一般)参加したかったのも考慮し、前泊することに決めた。「前泊なんて贅沢な。弾丸してこそイベントだ」という理屈は分かる。だがこのコロナ禍というのもあり、福岡なんぞ都会に行くのは数年ぶりだ。


余談だが、出発地はまぁまぁな田舎であり、福岡まで車と新幹線を使って片道4時間。もう少し文学フリマっぽく言うと『本屋に新刊が並ぶのが発売日の一週間後』ほど日数を要する位置にあり、福岡に行く時点でおのぼりさんである。


察したかと思うが、この思考に陥った時点で文学フリマへの参加は『プロ』の領域ではない。完全に田舎のド素人の趣味の延長になる。ここで『本気度がない』と、見る気が失せた人はそれでも構わない。

 

さて、『当日、ブースに座るための参加経費』を計算してみる

参加費 4,500円
交通費 11,200円×往復=22,400円 + 市内移動費、ガソリン代etc……
宿泊費 5,000円
……お分かりだろうか。必要最低限の経費がこの時点で3万を超える。おい、まだ本も作ってないぞ。

 

だが『田舎のおのぼりさん』が福岡で自分の文学を発信出来る機会に巡り合うためにはこれぐらいかかる。というか、ここがゼロ地点だ。

この金額をはじき出した時、『今回は採算度外視』と覚悟した。単純に内訳を計算しよう。


3万を回収しようとするなら例えば「400円の本が75冊売れば良い」わけなのだが、文学フリマは11時〜16時の5時間。なので、1時間に15冊売る必要がある。4分に1冊の計算で売り続けなければならない。
眼の前に途切れない列が続くのであればそれも不可能ではないが……


素人の加減知らずというが、ここでの俯瞰だけはいっちょ前に正しかったと思う。
『全く無名のド素人が参加して経費を回収出来るか』
個人的には「非常に困難である」と言うほかない。


「否、私は文学フリマに彗星の如く現れ、たった数時間でその場にいる『文学を嗜好する人間の心』を多く掴むことが出来る」という絶対的な自信と作品がある人がいたら伝えたい。
「その大作を、数ある文学作品募集の場に出して差し上げてくれ」きっとそちらの方が作品として、評価されるチャンスは大きいように思う。

 

【記事一覧】
  1. 序章:ここではお金の話をしよう
  2. 文学フリマの作り方①